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さて、筋交いをする壁のほうは、柱の芯々で九10ミリ(91センチ=半間)を基準単位とするのがふつうである。しかし、ときには筋交いを一間(1820ミリ)にするとか、あるいは4尺5寸(1365ミリ)にすることもある。筋交いは、いわゆる”桁行”のスパン方向に、あるいは”妻側”(正面側)方向に対して、斜めに入っているのが正しい。当然、それぞれの長さが増すにつれて、筋交いの数が増えるのが望ましい。
いずれにせよ、筋交いは各方向に均等に入っていることが、建物の安定上、重要なポイントになる。
もし、筋交いが縦や横、つまりX、Y方向でバランスがとれていないようだと、揺れや大きな圧力に対して家が弱くなる。
一般的に建てやすくて、シンプルなのは正方形の家である。この場合、4隅にまんべんなく筋交いを入れる。長方形の家の場合も同様である。ただし、長辺の壁に入れる筋交いの量は、壁面の面積に応じて、短辺よりも多くするのが望ましい。
建物によっては、平面の形がL字型あるいはコの字型をしているような家もある。こういうときは、 基本的には正方形、長方形の集合体と考える。つまり、いくつもの小さい正方形と長方形が連続して並んでいるものとして壁をつくり、それぞれに筋交いを入れておくのが安全である。
問題なのは、ベース板状、6角形、8角形、あるいは扇型、円形など平面的に建て家が広がっているような形状の場合である。
こうした家では、中心の部分に求心的な力が働くような壁面をつくらないと、全体としては非常に弱い構造になっている。つまり、円周に沿って筋交いがあるだけでは危険なのである。
揺れに対しては、家が円形に近くなるにつれ、あたかも外側に破裂するような力にさらされる。だから、外周の壁とともに中心部の壁にも十分な筋交いを備えることが欠かせないのである。これは正方形のプランでも同じである。今回の地震で、家の中心部に筋交いが入っている家は助かっている。
お金をかけても大規模なリフォームをしないで地震対策ができる場合もある。←いろいろな物件を見て知識を得よう。
次に立体的な形を見てみると、もっとも危ないのは、やはり2階が1階より大きくなっているような構造である。二階屋の場合、1階と2階で同じ位置に筋交いが入っているときにもっとも安定する。
だから、両階壁面は基本的には同じ位置にあることが望ましい。店舗などでは、これを満たすのはたやすくないだろうが、柱の補強やつっぱりなどで手当てしたいものである。